行政訴訟を通じ、国が生活保護基準の明確化や対応強化を言明した形で、原告・弁護団は「きわめてまれ」としている。母子加算は政権交代後の昨年12月に復活したが、老齢加算は廃止されたままで、老齢加算の訴訟(8地高裁・原告101人)は継続される。
基本合意書はこのほか、04年以後の加算見直しと削減・廃止による母子・老齢世帯の窮状について「遺憾」と表現。国は今後、母子加算を十分な調査や合理的根拠なしに廃止しないとした。検証は長妻昭厚生労働相が設けた有識者会議の調査などを通して行う。
調印式で長妻厚労相は「(母子加算は)具体的根拠が乏しい中で廃止した経緯がある。最低限度の生活を全国一律に保障する基準を皆さま方と作っていきたい」とあいさつ。長男が高校1年の時に削減が始まった原告代表の辰井絹恵さん(47)は「『健康で』と『文化的な』のどちらも抜けない基準をしっかり作っていただきたい」と述べた。
老齢加算の訴訟は継続することについて、原告弁護団の竹下義樹弁護士は「母子加算ほど注目されなかった老齢加算が置いてきぼりを食らったのは(現政権の)政治的判断として不十分だ。我々にも反省があるが、人間らしさを失い、生きているだけというお年寄りの苦しさを(今後の裁判で)訴えていく」と述べた。【野倉恵】
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